（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

皇居 　　　　　　　　　　(INDEX：索引へ)

• 【新明解国語辞典第四版】
  • 天皇がお住みになる所。
    • 因みに「都」は皇居の所在地。

皇居を含む「大内裏」は １３〜１４世紀を境に 位置が異なっている。

• 【私説】
  • 平安京では、大内裏の中にある「内裏」が「皇居」にあたる。
    • 内裏焼亡、避忌などで、一時的に内裏の外に住むことがあった。そこを「里内裏」という。
  • 平安京の大内裏があったのは現在の千本通（丸太町通と一条通）あたりである。
    • 往時の大路名でいえば、西大宮二条、西大宮一条、大宮一条、大宮二条に囲まれた領域。東西約１.2km、南北１.4km。
    • 現在の通りでいえば概ね、御前二条、御前一条、大宮一条、大宮二条に囲まれた領域。
    • ２省８官の官衙（かんが、役所）群が立ち並んでいた。要は官庁街と考えればよい。

    「大極殿」遺址	平安京の大内裏を望む
    千本通椹木町上ル	千本通今出川
    平安時代の皇居を偲ぶにはここに来るしかない。	この位置に、大内裏を護る「朱雀門」があった。南北の千本通は古の「朱雀大路」。

    
    
  • 現在の京都御苑は、烏丸丸太町、烏丸今出川、寺町今出川（寺町より若干西）、寺町丸太町に囲まれた領域。
    • 大きさ、南北の位置において、「やや小さく・細長く」なっている。東西の位置において、概ね１kmくらい東に存する。
    • 「内裏」は「京都御所」に比定できる。御苑内の構成については御所と御苑を参照。
    • 現在は天皇もお住まいになっておらず、政治・経済とは縁のない場所になっている。

    （京都御苑）「堺町御門」	（京都御所）「清涼殿」
    丸太町通堺町	京都御所の中（今出川通中立売下ル）
    京都御苑九門の１つで、京都御苑の南側にある。御門は烏丸通、今出川通、寺町通にもある。	「清涼殿」は天皇の生活の場。明治１８年(1885)に平安時代の形式で復元したもの。

    
    
  • 内裏は頻繁に火事で焼亡し、嘉禄３年(1227)４月29日の大火・類焼を最後に廃絶された（この間約430年）ようだ。
    • 内裏焼亡の記録については、「一〇〜一三世紀における火災と公家社会」（大村拓生著）に詳しい。
    • 以降（約100年強）「里内裏」を転遷し、光厳天皇が践祚した翌年の元弘２年(1332)に、東洞院土御門殿で即位してここを皇居に定めた。これにより、長年皇居であった旧内裏から皇居が移ったことになる。
    • この東洞院土御門殿が現在の京都御所に位置にあたる。
    • この頃は南北朝並立時代であり、明徳３年(1392)の南北両朝合体で、名実共にこの地が皇居として固定されたことになる。
      • 応仁の乱のとき御所は、辛うじて戦火は免れたものの、荒廃は著しくなった。
      • この内裏を復興したのが、織田信長（永禄１１年(1568)、永禄度の修造）であり、以降豊臣秀吉の天正度の造営、徳川家康の慶長度の造営、徳川家光の寛永度の造営と続き、現在の御所は安政２年(1855)の造営によるものである。

    「東洞院土御門殿」跡	「蛤御門」
    烏丸通下長者町上ル	烏丸通下長者町上ル
    石碑には「土御門内裏跡」とある。京都ガーデンパレス前に建っている。	烏丸通を挟んで「土御門内裏跡」の東側にある。ここが現在の京都御所の「西縁」になる。

    
    
  • さらに明治になって明治天皇は東京に移られ東京にお住みになるようになったので、この時点で皇居は東京に移り、京都御所は皇居でなくなった（この間約530年）。
    • 新明解国語辞典によれば、この時点で都も東京に移ったことになる。

• 【梅棹事典からの一部引用】
  • 明治維新になりまして、さあこれからというときに天皇は江戸へ行幸されました。・・・江戸は東京とあらためられ政府の機関はみな京都から東京へうつってしまい、天皇はもう京都へかえってこられなかった。京都の市民はだまされてしまったのです。遷都令はいまだでておりません。ですからいまでも日本の首都は京都です。