（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

分水嶺 　　　　　　　　　　(INDEX：索引へ)

• 【広辞苑第六版】によれば「分水嶺」とは
  • �@分水界となっている山脈。分水山脈。
  • �A物事の成り行きが決まる分れ目。
  • さらに「分水界」とは
    • 「地表の水が二つ以上の水系に分かれる境界。分水線」とある。
    • （参考：国土地理院）隣り合った流域の境界線。
    • 分水嶺より「分水界」の方が厳密でかつ広い概念のようである。
      • （例えば）国土地理院は「谷中分水界（谷の中にある分水界）」の具体的な箇所を例示している（京都府では３箇所、その１箇所を下の地図に示した）。
      • このような「比較的狭い領域にも分水界」は存在する。
  • そこで本ページでは、私の関心のある「�@（山脈）」だけを考える。

「谷中分水界」船岡（＋の位置）	国土地理院の「水系図」（の一部分）	近畿地方の大分水界（from大阪大学）
東の「桂川」と西「園部川」との分水界になっているのだろう（下の図の南のピン）	国土地理院は「水系」を明示し、大分水界（赤線）を図示している	（大阪大学は）左記大分水界のポイント（峠名など）を記した（少しずれているような気がしますが）

• 「中央分水嶺」
  • 日本列島を縦断するような「大きな分水界」を「大分水界」と呼ぶ（慣用か）。
    • 上に「国土地理院」発行『日本国勢地図』に載っている「水系図」の一部分を示した。
      • 非常に多くの分水界（青線）があることがわかる。
      • 赤線が「大分水界」である。
    • 「大分水界」は（福井・滋賀・岐阜の三県境になっている）「三国岳(1209m)」で２つに分かれる。
      • 一方は「中国山地」を通って、九州を縦断する。
      • 他方は「和泉山脈・四国山地」を通って、九州阿蘇で上記と合流する。
    
    
  • 「中国山地を通る大分水界」＝『日本列島を縦断するような（日本海に注ぐ水系と太平洋に注ぐ水系を分ける）大きな分水界』を「中央分水嶺」と呼ぶ（これも慣用か）
    • （一般的には）北海道「宗谷岬」に始まって、「津軽海峡／竜飛岬」で本州に渡り、中国山地を経て、下関・門司を通って、九州「佐多岬」に至る約6,000km。
    • 勿論、この他にも多くの異論はあります（ここでは省略）。

• 京都を通る「中央分水嶺」（いろいろな資料からまとめると）
  • 東は「三国岳」から佐々里峠・知谷峠を経て西は「櫃ヶ嶽」に至る山稜線ということになる（下の図に示した）。
    • 京都を通る「中央分水嶺」は由良川（北）と淀川（南）を分ける嶺になります。
    • 主な地点を示すと「三国岳(959m)−小野村割岳(932m)−佐々里峠−ダンノウ峠−ソトバ山−鴨瀬芦谷山−知谷峠−海老坂−胡麻近辺−中山峠−三国岳(508m)−櫃ヶ嶽」となる。
      • 最東端の「三国岳(959m)」：その北方の「三国峠（776m、三府県境の山、北へ延びる中央分水嶺上の山）」も京都を通るので、こちらを最東端にするという資料もあります。
      • 小野村割岳(932m)：私のHPに出てこない（いつかの登ろうと計画はしているのだが、果たせないままになっている）。
      • 最西端は「三国岳(508m)」としている資料も多いが、同名で間違えやすいので、そのすぐ北方まで続いている中央分水嶺の「櫃ヶ嶽」(582m)にした。
  • 胡麻近辺は（谷中分水界にあたり）明確でない。下の地図で
    • ピンの位置＝国土地理院の胡麻高原の谷中分水界
    • 赤丸の位置＝京都府の（標識が建っている）由良川及び胡麻川の分水界
    • 平坦地だから判断が難しい。私などの素人には「どちらが正しいのか」わからない（ということで紫色の線を描くのはやめました）。

京都を通る「中央分水嶺」（紫色の線）

その他の色の線は「県境」。「櫃ヶ嶽」は緑線（兵庫県境）上にある

京都を通る「中央分水嶺」上の山々（京都百名山から）
三国岳(959m)	鴨瀬芦谷山(778m)	櫃ヶ嶽(582m)